神戸発!FAシステム設計製作工事・工場施設工事・メンテナンス情報サイト FAシステム工事・工場工事・メンテナンスの豊富な事例集、中古機械高額買取のノウハウ集プレゼント

PLC(シーケンサ)更新・修理工事の完全ガイド


本コラムは、工場の生産ラインを支えるPLC(シーケンサ)更新・修理工事とメンテナンスについて、日々設備管理に携わる工場現場責任者様および工場現場作業員様に向けて、中央省庁の公的資料を根拠にしながら、現場が抱えやすい課題とその解決の道筋を分かりやすく整理して解説するコラムです。
工場のPLC(シーケンサ)は、生産ラインの心臓部として稼働し続けています。しかしながら、経年劣化や部品の生産終了といった課題は、日々現場を預かる責任者様や作業員様を悩ませる要因となっています。本コラムでは、厚生労働省や経済産業省、国土交通省、総務省消防庁、環境省といった中央省庁・所管公的機関が公表している資料のみを根拠として、PLC(シーケンサ)更新・修理工事を検討するうえで押さえておきたい観点を、15の切り口からまとめました。工場工事センター匠.comでは、こうした課題に対して、生産技術・保全技術に精通したスタッフが解決策をご提案しております。それでは、順を追って見ていきましょう。

1.経年化したPLC・シーケンサ制御盤に潜む労働災害リスクとは

工場の設備は、稼働年数を重ねるにつれて劣化が進み、当初の安全水準を維持できなくなる場合があります。厚生労働省が公表している設備の経年化による労働災害リスクと防止対策では、経年化設備は保護方策の不備や部品の劣化に起因する不安全状態を抱えやすいと指摘されています。

PLC(シーケンサ)についても同様で、制御回路が経年劣化すると、電磁ノイズなどの外乱によって意図しない起動が発生するおそれがあります。したがって、制御回路が停止しているように見える状態と、動力源が完全に遮断された状態とを混同しないことが重要です。厚生労働省が公表している設備の経年化による労働災害リスクと防止対策では、機械が停止しているように見えても制御回路自体が生きている場合は危険性が残ると解説されています。 また、経年化設備は点検や修理の回数が増える傾向にあることも、同資料の調査結果として示されています。点検・修理の頻度が高まるということは、それだけ作業者が設備に接触する機会が増えるということでもあり、はさまれや巻き込まれといった労働災害のリスクが相対的に高まることを意味します。

このような背景を踏まえると、PLC(シーケンサ)の経年劣化は単なる「機器の古さ」の問題にとどまらず、工場全体の安全管理上の課題として捉える必要があります。工場現場責任者様におかれましては、制御盤の設置年数や稼働状況を定期的に確認し、更新・修理工事のタイミングを見極めることが求められます。 工場工事センター匠.comでは、こうした経年化に伴う労働災害リスクを踏まえたうえで、PLC(シーケンサ)更新・修理工事のご相談を承っております。既存の制御回路の状態を丁寧に確認し、安全面での課題を洗い出したうえで、最適な解決策をご提案いたします。

2.老朽化に伴う点検・修理頻度の増加が示す更新シグナル

前項で触れた通り、経年化設備は点検・修理の回数が増加する傾向にあることが、厚生労働省の調査によって明らかにされています。この傾向は、PLC(シーケンサ)を含む制御機器全般にも当てはまる考え方です。 設備の経年化による 労働災害リスクと防止対策では、動力伝達部を有する動力機械について、経年化に伴う劣化や故障の増加が労働災害リスクの一因になっていると分析されています。制御機器についても、基板の劣化やコネクタ部分の緩みなどが積み重なることで、誤作動や停止トラブルが発生しやすくなる点は共通しています。

点検や修理の頻度が増えるということは、現場作業員様が防護柵や防護カバーを開閉する回数も増えるということです。設備の経年化による 労働災害リスクと防止対策では、修理回数の増加に伴い、防護柵や防護カバーを外したままにしてしまう不安全行動が発生しやすくなる点も課題として挙げられています。
このため、点検・修理の頻度そのものが高止まりしている状態は、単に「まめにメンテナンスしている」と前向きに捉えるだけでなく、設備更新を検討すべきシグナルとして受け止めることが大切です。頻繁な修理対応にコストと時間を割くよりも、計画的な更新工事によって根本的な課題解決を図るという判断も、現場責任者様にとって重要な選択肢となります。

また、点検・修理のたびに生産ラインを一時的に止めざるを得ない場合、その停止時間の積み重ねも見過ごせない課題です。修理対応が場当たり的になると、次にいつトラブルが発生するか予測しづらくなり、生産計画も立てにくくなってしまいます。点検・修理の記録を蓄積し、故障の傾向を分析したうえで、更新工事の要否を計画的に検討していく姿勢が求められます。
工場工事センター匠.comでは、点検・修理の履歴やトラブル発生頻度を丁寧にヒアリングしたうえで、更新工事とメンテナンス継続のどちらが適切かを客観的に判断し、ご提案しております。

3.熟練技術者の退職に伴うPLCプログラムのブラックボックス化と技術継承リスク

厚生労働省の経年化設備に関する調査では、設備面の課題に加えて、ベテラン技術者の退職等による技術・技能の喪失も労働災害リスクの一因として位置づけられています。
PLC(シーケンサ)は、導入当時の担当者が独自にプログラムを組み込んでいるケースが少なくありません。そのため、当時の担当者が退職してしまうと、プログラムの内容や設定意図が誰にも分からない、いわゆるブラックボックス化が生じやすくなります。

厚生労働省の経年化設備に関する調査においても、経験年数の短い作業者が経年化設備を扱う際には、指導不足や確認不足といった要因が労働災害につながりやすいと分析されています。PLC(シーケンサ)のプログラムがブラックボックス化した状態で、経験の浅い作業員様が保守作業にあたることは、思わぬトラブルや事故につながる懸念があります。
したがって、熟練技術者が在籍しているうちに、PLC(シーケンサ)のプログラム内容を可視化し、ドキュメント化しておくことが、将来的な技術継承の課題を解決する近道となります。あわせて、更新工事のタイミングで最新の制御機器に置き換え、プログラムを整理し直すことも有効な選択肢です。

さらに、部品そのものがすでに生産終了となっており、後継品が存在しないケースも工場現場では珍しくありません。その場合は、既存のプログラムを解析したうえで、現行機種向けに再設計する工事が必要になります。技術継承の課題は一朝一夕には解決できませんが、プログラムの可視化と設備更新を並行して進めることで、少しずつ属人化から脱却できます。
工場工事センター匠.comでは、既存のPLC(シーケンサ)を調査・解析したうえで、プログラムの内容を整理し、再設計を行う工事にも対応しております。既存のサーボドライバやサーボモータをそのまま活用しながら、制御部分のみを刷新するといった、お客様のご要望に応じた柔軟な解決策もご提案可能です。

4.「隔離の原則」「停止の原則」とインターロック機構によるはさまれ・巻き込まれ災害の防止

機械による労働災害を防ぐための基本的な考え方として、厚生労働省は「隔離の原則」と「停止の原則」という二つの原則を示しています。
隔離の原則とは、柵や囲いといった固定式ガードによって、人と機械の危険源が空間的に接近・接触できないようにする考え方です。一方、停止の原則とは、人が危険区域に入る場合には、インターロック等によって機械を確実に停止させるという考え方を指します。

PLC(シーケンサ)は、こうしたインターロック機構の頭脳として機能している部分が多く、ガードの開閉状態を検知するセンサーからの信号を受け取り、機械の起動・停止を制御しています。したがって、PLC(シーケンサ)のプログラムやセンサー回路が正しく機能していなければ、隔離の原則や停止の原則そのものが形骸化してしまうおそれがあります。

同資料では、機械による労働災害の約8割が、構造規格やJIS規格に基づくガードやインターロック等を適切に講じていれば防げたはずのものであると指摘されています。この点からも、PLC(シーケンサ)の更新・修理工事は、単なる制御機器の入れ替えではなく、工場全体の安全設計を見直す機会として捉えることができます。 制御盤の内部配線が経年劣化していると、ガードの開閉を検知するセンサー信号が正しく伝わらず、隔離の原則や停止の原則が意図通りに機能しなくなる場合もあります。こうした不具合は、外見からは分かりにくいという点でも注意が必要です。
工場工事センター匠.comでは、インターロック回路を含めたPLC(シーケンサ)の点検・診断を行い、隔離の原則・停止の原則に基づいた安全設計となっているかを確認したうえで、必要な更新・修理工事をご提案しております。

5.労働安全衛生法に基づくリスクアセスメントとPLC更新工事における残留リスク低減

労働安全衛生法第28条の2では、事業者に対してリスクアセスメントとその結果に基づく措置の実施に努めることが求められています。この考え方は、厚生労働省が公表している機械の安全に関する指針にも反映されています。

リスクアセスメントとは、設備や作業に潜む危険性や有害性を洗い出し、それぞれのリスクの大きさを評価したうえで、優先順位をつけて低減措置を講じる一連の手順を指します。PLC(シーケンサ)の更新・修理工事を検討する際にも、この考え方を取り入れることで、単に古い機器を新しい機器に置き換えるだけでなく、残されているリスクを洗い出すことができます。
具体的には、更新前の制御システムにおいてどのような危険源が存在していたのか、更新後にその危険源がどの程度低減されるのかを整理することが望まれます。すべての危険源を完全に取り除くことは難しいため、残ってしまうリスク、いわゆる残留リスクについても、作業手順書への反映や注意喚起によって管理する必要があります。

工場現場責任者様におかれましては、PLC(シーケンサ)更新工事の発注段階から、こうしたリスクアセスメントの視点を業者側と共有しておくことで、工事後の運用がより安全なものになります。
リスクアセスメントの結果は、更新工事が完了した時点で終わりというわけではなく、実際の運用が始まってからも定期的に見直していくことが望まれます。運用開始後に新たな作業手順が加わった場合には、その都度リスクを再評価する姿勢が課題解決につながります。
工場工事センター匠.comでは、更新・修理工事のご提案にあたり、既存設備のリスク評価を丁寧に行い、残留リスクについても分かりやすくご説明したうえで工事を進めております。

6.産業用ロボット制御装置の更新と労働安全衛生規則第150条の3から第151条への対応

工場内で産業用ロボットを導入している場合、その制御装置についても労働安全衛生規則による規制が及びます。厚生労働省の資料によれば、産業用ロボットの運転中における危険を防止するため、労働安全衛生規則第150条の4等に基づく措置が求められています。
産業用ロボットの制御装置を更新する際には、マニプレータの可動範囲や、教示等の作業を行う際の安全確保の方法についても見直しが必要となります。同資料では、リスクアセスメントに基づく措置を実施し、産業用ロボットへの接触により労働者に危険が生じるおそれがなくなったと評価できる場合には、協働作業が可能になると解説されています。

こうした評価は、産業用ロボットを制御するPLC(シーケンサ)側のプログラムが、可動範囲の制限や非常停止機能を確実に実装していることが前提となります。制御装置の更新工事にあわせて、非常停止装置や安全プラグといった安全機構についても点検し、規則に沿った運用がなされているかを確認することが望まれます。
産業用ロボットを導入している工場では、こうした制御装置の更新を単独の設備入れ替えとして捉えるのではなく、周辺の安全設備全体を見直す機会として位置づけることが、課題の根本的な解決につながります。

とりわけ、教示等の作業に携わる作業員様が交代した場合には、あわせて安全教育の実施状況も確認しておくことが望まれます。制御装置が最新化されても、それを扱う作業員様への教育が不十分であれば、安全性は十分に確保できません。
工場工事センター匠.comでは、産業用ロボットの制御装置更新にあたり、周辺の安全設備との整合性を確認しながら、労働安全衛生規則に沿った形で工事を進めております。

7.機能安全指針に基づくPLCのフェールセーフ制御設計

近年の機械は制御機能が高度化・複雑化しており、安全のために付加的に導入された電子機器が正しく機能することで安全性を確保する、いわゆる機能安全という考え方が広まっています。厚生労働省は、平成28年厚生労働省告示第353号として「機能安全による機械等に係る安全確保に関する技術上の指針」を公表しています。

機能安全とは、機械そのものの構造だけで安全を確保することが難しい場合に、センサーや制御装置といった電子機器を用いて、異常が発生した際に安全な状態へと移行させる仕組みを指します。フェールセーフとは、この機能安全の考え方の一部であり、機器が故障した際にも、できる限り安全な側に動作するよう設計しておく考え方です。
PLC(シーケンサ)の更新工事においては、こうしたフェールセーフの考え方を取り入れることで、万が一の誤作動時にも被害を最小限に抑えることが可能になります。同資料では、産業用ロボットのシステムインテグレータに向けて、安全関連システムの詳細設計手順が示されており、こうした知見はPLC(シーケンサ)の設計にも応用できる部分が多くあります。

工場現場責任者様におかれましては、更新・修理工事の発注時に、単なる機能面の刷新だけでなく、フェールセーフ設計が組み込まれているかどうかも確認いただくことをおすすめいたします。
フェールセーフの考え方を取り入れた制御設計は、初期費用だけを見ると割高に感じられる場合もあります。しかし、誤作動による生産停止や事故対応の負担を考えると、長期的には課題解決につながる投資といえます。
工場工事センター匠.comでは、PLC(シーケンサ)の更新・修理工事にあたり、フェールセーフの考え方を踏まえた回路設計をご提案し、万が一の際にも被害を抑えられる仕組みづくりに努めております。

8.制御盤・分電盤の感電災害防止と労働安全衛生規則「電気による危険の防止」の遵守

PLC(シーケンサ)を含む制御盤の保守・修理作業では、感電災害の防止も欠かせない観点です。労働安全衛生規則第2編第5章では、電気による危険の防止について具体的に定められており、第329条から第354条にかけて感電防止のための措置が示されています。

同資料によれば、感電災害による死亡者数は労働災害全体の中では比較的少ないものの、休業4日以上の死傷者数に対する死亡者数の割合は高く、致死率の高い災害の一つとされています。感電防止器具の普及や漏電遮断器の設置義務化などが進んだことで、感電による死亡災害は長期的に減少傾向にあると分析されています。

PLC(シーケンサ)の更新・修理工事では、制御盤内の充電部に作業員様が接触する場面が発生します。したがって、作業前には必ず電源を遮断し、検電器で充電の有無を確認するといった基本動作を徹底することが求められます。
また、同資料では、作業手順を守らずに「これまで事故が起きていないから」という思い込みで作業を省略してしまうことが、感電災害につながりやすい心理的な要因として挙げられています。PLC(シーケンサ)の更新・修理工事にあたっては、こうした慣れによる油断を防ぐためにも、作業手順書に沿った確実な作業を行うことが重要です。

工場現場責任者様におかれましては、作業員様一人ひとりに対して、感電防止のための基本動作を繰り返し周知し、慣れによる油断が生じないよう継続的に注意喚起していくことが望まれます。
工場工事センター匠.comでは、電気工事施工管理技士等の有資格者が在籍しており、感電防止のための基本動作を徹底したうえで、制御盤・分電盤の更新・修理工事を行っております。

9.自家用電気工作物の技術基準適合とPLC制御回路の定期点検義務

工場の自家用電気工作物は、電気事業法に基づき、経済産業省令で定める技術基準に適合するよう維持することが求められています。経済産業省の資料では、標準的な点検項目が整理されており、定期的な点検・測定・試験が保安管理業務の基本とされています。
PLC(シーケンサ)を含む制御回路は、こうした自家用電気工作物の一部として、電気主任技術者による定期点検の対象に含まれる場合があります。同資料によれば、点検の際には技術基準に適合しない事項が発見された場合、とるべき措置について報告することが定められています。

工場現場責任者様におかれましては、電気主任技術者や保安管理業務の委託先と連携し、PLC(シーケンサ)を含む制御盤についても、点検結果を踏まえた更新・修理の要否を定期的に確認することが望まれます。
技術基準への不適合が指摘された場合には、単なる部品交換で済ませるのか、それとも制御回路全体を見直す更新工事とするのか、費用対効果を踏まえて判断する必要があります。

こうした判断を場当たり的に行うのではなく、日頃から点検記録を整理し、指摘事項の傾向を把握しておくことで、更新工事のタイミングをより的確に見極めることができます。
電気主任技術者との情報共有を密にしておくことは、突発的な不適合の発見だけでなく、計画的な保全活動全体の質を高めることにもつながります。こうした一連の対応は、単発の工事として終わらせるのではなく、工場全体の保全計画の一部として位置づけることが望まれます。
工場工事センター匠.comでは、電気主任技術者や保安管理業務の担当者様と連携しながら、技術基準への適合状況を踏まえたPLC(シーケンサ)の更新・修理工事をご提案しております。

10.電気設備の経年劣化診断による制御機器の余寿命管理

設備の劣化診断という考え方は、電力設備の分野でも整理されています。国土交通省が公表している資料では、経年変化とともに摩耗や酸化、固化等が進行し、性能・機能の低下や故障率の増加をきたす劣化を「物理的劣化」と定義し、機器を継続して使用できる期間を「余寿命」と呼んでいます。

同資料では、専門技術者が定期保全データの活用と目視・試験測定等により機器の劣化状況を把握する「一次診断」と、そのデータをもとにさらに詳しく余寿命を判断する「二次診断」という二段階の診断手法が示されています。この考え方は電力設備を対象としたものですが、PLC(シーケンサ)を含む制御機器の維持管理を検討するうえでも参考になる考え方です。

PLC(シーケンサ)についても、稼働年数や使用環境、これまでのトラブル発生履歴などを踏まえて、あとどの程度使用を継続できるのかという余寿命の観点から評価することが、計画的な更新工事の判断材料となります。突発的な故障を待ってから対応するのではなく、余寿命の考え方に基づいて計画的に更新工事を進めることで、生産ラインの停止といった大きな課題を未然に防ぐことができます。
また、余寿命の評価にあたっては、周囲の温度や湿度、粉塵の有無といった設置環境も重要な要素となります。過酷な環境で使用されているPLC(シーケンサ)は、標準的な環境で使用されているものに比べて、劣化の進み方が異なる可能性があります。

工場現場責任者様におかれましては、こうした設置環境の違いも踏まえながら、更新工事の優先順位を検討していくことが望まれます。
工場工事センター匠.comでは、PLC(シーケンサ)を構成する機器の状態や生産終了の状況を確認したうえで、余寿命の観点も踏まえた更新・修理工事のご提案を行っております。

11.地震発生時における制御盤の緊急停止シーケンスと耐震対策

工場設備は、地震発生時の安全確保についても備えておく必要があります。総務省消防庁が公表している危険物施設向けの震災等対策ガイドラインでは、地震規模により重要設備等を自動的に緊急停止させるシーケンスが組まれている場合があると解説されています。
同資料では、建築物や配管等について、経年劣化等が生じていないかを含めて、設計上の耐震性能を再確認することの重要性が指摘されています。PLC(シーケンサ)を含む制御盤についても、地震時に緊急停止を確実に実行できるかどうかは、制御プログラムの設計と密接に関わっています。

また、危険性が高い重要設備については、非常用電源の確保や、電源が失われても緊急に遮断される仕組みの導入が対策として挙げられています。PLC(シーケンサ)の更新工事にあわせて、こうした緊急停止シーケンスが最新の耐震基準や運用実態に沿ったものになっているかを見直すことも有効です。
工場現場責任者様におかれましては、制御盤自体の固定状況とあわせて、地震発生時にPLC(シーケンサ)がどのような動作を行うのかを、平時から確認しておくことが望まれます。

制御盤が転倒・移動してしまうと、内部の配線が損傷し、緊急停止シーケンスそのものが機能しなくなるおそれもあります。したがって、制御盤の固定状況の確認は、耐震対策の中でも見落とされがちな重要なポイントといえます。
工場工事センター匠.comでは、地震発生時の緊急停止シーケンスも踏まえたPLC(シーケンサ)の更新・修理工事について、幅広くご相談を承っております。

12.工場システムサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドラインとPLC調達仕様のセキュリティ要件

工場のIoT化や自動化が進む中で、経済産業省は「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」を公表しています。同ガイドラインでは、工場システムがインターネット等のネットワークにさらされないことを前提に設計されてきた一方、近年はネットワーク接続の機会が増えることで新たなセキュリティリスクが生じていると指摘されています。

同資料では、PLCの調達仕様書にセキュリティ要件を具体的に指定する例が示されており、公開されている脆弱性や攻撃手法を用いたペネトレーションテストの実施が推奨されています。PLC(シーケンサ)のような制御機器は、セキュリティ機能を実装するだけの物理的なリソースを備えていない場合もあるため、サプライヤから必要な情報を取得したうえで、追加対策の要否を判断することが重要とされています。

工場現場責任者様がPLC(シーケンサ)の更新工事を発注する際には、こうしたセキュリティ要件を調達仕様書に盛り込んでおくことで、更新後の制御システムがサイバー攻撃に対しても一定の耐性を持つようになります。
工場のネットワークが従来は閉じた環境であったとしても、遠隔監視やクラウド連携が進むにつれて外部との接点は今後も増えていくと見込まれます。将来的な接続拡大も見据えたセキュリティ対策を、更新工事の段階から組み込んでおくことが望まれます。こうした対応は専門的な知見が求められるため、制御機器メーカーや工事業者とすり合わせながら進めることが課題解決への近道となります。
セキュリティ対策は一度実施すれば終わりというものではなく、継続的な見直しが欠かせない分野です。
工場工事センター匠.comでは、PLC(シーケンサ)の更新にあたり、こうしたセキュリティ要件も踏まえた機器選定のご相談に対応しております。

13.制御システムの脆弱性対応ガイドによるPLCソフトウェアの保守管理

制御システムのセキュリティに関しては、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が「制御システム利用者のための脆弱性対応ガイド」を公表しています。同ガイドでは、制御システム製品の脆弱性に関する届出制度が設けられており、届出後はJPCERT/CCを通じて開発者に連絡が行われる仕組みが整理されています。
PLC(シーケンサ)についても、ソフトウェアのバージョンによっては既知の脆弱性が存在する場合があり、こうした脆弱性対策情報を制御システムベンダを通じて受け取ることができるとされています。工場現場責任者様におかれましては、使用しているPLC(シーケンサ)のソフトウェアバージョンを把握し、メーカーからの脆弱性対策情報を継続的に確認する体制を整えることが望まれます。

古いPLC(シーケンサ)ほど、こうした脆弱性対策情報の提供が終了している可能性が高くなるため、更新工事のタイミングを検討する際の判断材料の一つとしても活用できます。ソフトウェア面での保守が受けられなくなった制御機器を使い続けることは、生産ラインの安定稼働という観点からも大きな課題となります。
工場現場責任者様におかれましては、PLC(シーケンサ)のメーカーが公表しているサポート期限や保守終了時期についても、あらかじめ確認しておくことをおすすめいたします。
保守が終了した制御機器を使い続けることは、目先のコストは抑えられるように見えても、長期的にはトラブル対応の負担が増すという課題を抱え続けることにつながります。
日頃からの情報収集を怠らないことが、こうした課題の解決につながる第一歩となります。
工場工事センター匠.comでは、PLC(シーケンサ)のソフトウェア保守状況についてもヒアリングしたうえで、更新・修理工事のご提案を行っております。

14.省エネルギー法における電気の需要の最適化措置とPLCによるデマンド制御

工場等におけるエネルギーの使用については、省エネルギー法に基づく事業者の判断基準等が資源エネルギー庁により示されています。同資料では、「工場等における電気の需要の最適化に資する措置に関する事業者の指針」が公表されており、電気の需要を適切に調整することが求められています。
PLC(シーケンサ)は、こうした電気の需要の最適化を実現するうえでも重要な役割を担っています。生産設備の稼働タイミングを制御するプログラムを工夫することで、電力需要が高まる時間帯の使用を平準化するといった対応が可能になります。

古いPLC(シーケンサ)では、こうした細やかな需要調整に対応するための制御ロジックが組み込まれていない場合もあるため、更新工事にあわせてプログラムを見直すことで、省エネルギー法に沿った運用がしやすくなります。 工場現場責任者様におかれましては、省エネルギー法への対応という観点からも、PLC(シーケンサ)の更新工事を検討する価値があります。

電気の需要の最適化は、単独の設備だけで完結するものではなく、工場全体の生産計画とも密接に関わっています。そのため、PLC(シーケンサ)の更新工事を検討する際には、生産部門と設備保全部門とが連携しながら方針を固めていくことが望まれます。こうした部門間の連携を丁寧に積み重ねていくことが、省エネルギー化という課題の解決に着実につながっていきます。
工場工事センター匠.comでは、電気の需要の最適化という視点も取り入れながら、PLC(シーケンサ)の更新・修理工事についてご相談を承っております。

15.インバータ制御による省エネルギー化とPLCプログラムの最適化

環境省が公表している資料では、ファンやポンプの回転数をインバータで制御することにより、消費電力を大きく削減できる仕組みが解説されています。同資料によれば、吐出量を90パーセントに削減した場合、消費電力は吐出量の3乗に比例して削減されるため、理論上は約73パーセントまで低減できるとされています。
この消費電力の削減効果は、インバータそのものの性能だけでなく、インバータを制御するPLC(シーケンサ)側のプログラム設計にも左右されます。回転数の設定タイミングや切り替えロジックが最適化されていなければ、せっかくのインバータ制御の効果を十分に引き出せない場合があります。

PLC(シーケンサ)の更新工事にあわせて、ファンやポンプの運転パターンを見直し、インバータ制御と組み合わせたプログラムへと最適化することで、工場全体の省エネルギー化という課題の解決につながります。
工場現場責任者様におかれましては、既存のインバータ設備を活かしながら、PLC(シーケンサ)側の制御ロジックを見直すという選択肢も検討いただくことをおすすめいたします。

すでにインバータを導入済みであっても、制御ロジックが導入当初のまま見直されていないケースは少なくありません。こうした場合には、大きな設備投資を行わなくても、プログラムの調整だけで省エネルギー化の余地が残されていることがあります。省エネルギー化への取り組みは、規模の大小を問わず、着実な効果につながっていきます。
工場工事センター匠.comでは、インバータ制御との連携も踏まえたPLC(シーケンサ)の更新・修理工事について、幅広くご提案しております。

16. 生産終了・販売終了・保守終了となったサーボモータ・サーボアンプ・PLC(シーケンサ)関連機器の国内・国外の在庫照会と保証

PLC(シーケンサ)を含む制御機器は、稼働年数を重ねるにつれて、サーボモータやサーボアンプ、シーケンサ本体が生産終了・販売終了・保守終了を迎え、交換部品が手に入らず更新に踏み切るしかないと考えてしまう工場現場責任者様も多いのではないでしょうか。

工場工事センター匠.comでは、国内・国外の協力会社が保有する在庫を幅広く照会し、お客様にご提供する解決策をご用意しております。市場に出回っていないと思われがちな古い機器でも、協力会社のネットワークを通じて代替品が見つかる場合が少なくありません。
在庫照会は、更新工事に比べて短期間・低コストで課題を解決できることが多く、生産ラインを長く止められない工場現場にとって有効な選択肢です。
ご提供する機器には保証を付けており、新品は6ヶ月間、中古品は1ヶ月間、修理品は3ヶ月間の保証期間を設けておりますので、安心してお使いいただけます。
なお、パラメータ設定はお客様ご自身で行っていただく形となります。稼働環境を最もよく把握されているお客様に設定いただくことが、誤作動の防止にもつながります。
更新工事を検討する前に、まずは既存機種のまま部品を調達できないか、工場工事センター匠.comへご相談いただくことをおすすめいたします。

17.海外製で廃盤となったサーボモータ・サーボアンプ・PLC(シーケンサ)への対応

海外メーカー製のサーボモータやサーボアンプ、PLC(シーケンサ)は、国内メーカー製品以上に技術情報が乏しく、生産終了・廃盤となった時点で国内の業者だけでは対応しきれず、更新を諦めてしまう工場現場責任者様も少なくないのではないでしょうか。

工場工事センター匠.comのパートナー企業には、海外製の制御機器を長年扱ってきた協力会社が含まれており、現地の技術資料や回路構成を読み解いた実績を持っています。そのため、型式や仕様の情報が乏しい海外製の廃盤品であっても、パートナー企業と連携しながら技術的な対応が可能です。
具体的には、パートナー企業が現地メーカーとの技術的なやり取りや、回路解析、代替部品への置き換え設計までを担うことで、国内の在庫や書類だけでは判断がつかない海外製品にも道を開きます。
電圧仕様や配線規格、通信方式が国内製品と異なる場合も、パートナー企業の知見をもとに現地仕様と国内仕様との整合性を確認したうえで、更新工事を進めております。
海外製だからという理由だけで更新を諦めてしまう前に、まずは工場工事センター匠.comへご相談いただくことをおすすめいたします。

結論・まとめ

ここまで、PLC(シーケンサ)更新・修理工事を検討するうえで押さえておきたい16の観点を、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、総務省消防庁、環境省といった中央省庁・所管公的機関の資料を根拠にまとめてまいりました。経年化に伴う労働災害リスクから、産業用ロボットの安全基準、機能安全、感電災害防止、自家用電気工作物の点検義務、耐震対策、サイバーセキュリティ、省エネルギー化、そして生産終了品の在庫照会まで、PLC(シーケンサ)が関わる課題は多岐にわたります。

工場現場責任者様や工場現場作業員様にとって、日々の生産活動を止めないためのメンテナンスは欠かせない業務である一方、経年劣化した制御機器を放置し続けることは、安全面でも生産性の面でも大きな課題を抱え続けることにほかなりません。だからこそ、点検・修理の頻度や技術継承の状況、セキュリティ対策の状況などを総合的に見極め、適切なタイミングで更新工事に踏み切ることが、課題の根本的な解決につながります。
一つ一つの観点は独立しているようでいて、実際には深く関わり合っています。例えば経年化した制御盤は感電災害のリスクを高めるだけでなく、セキュリティ面での保守も受けにくくなり、省エネルギー化への対応も遅れがちになります。そのため、PLC(シーケンサ)の更新・修理工事を検討する際には、目の前の不具合だけでなく、本コラムで取り上げた幅広い観点を総合的に踏まえることが大切です。

工場工事センター匠.comは、こうしたPLC(シーケンサ)更新・修理工事に関するあらゆるご相談に対応できるよう、電気工事施工管理技士等の有資格者が在籍し、既存設備を活かした再設計から最新機器への全面更新、さらには生産終了品の在庫照会まで、幅広い解決策をご提案しております。私たちは、日本全国のモノづくり企業様にお役立ちしたいという想いを持ち、これからも工場の生産技術・保全技術を支える存在であり続けたいと考えております。PLC(シーケンサ)更新・修理工事やメンテナンスに関して少しでも気になる点がございましたら、どうぞお気軽に工場工事センター匠.comまでご相談ください。

(監修者:吉岡興業株式会社 代表取締役 吉岡 洋明)


【参考資料・関連記事】

・厚生労働省「設備の経年化による労働災害リスクと防止対策」
・厚生労働省「設備の経年化による労働災害リスクと防止対策
・厚生労働省「機械メーカー・機械据え付け業者・機械ユーザーの皆さまへ」
・厚生労働省「機械の包括的な安全基準に関する指針」
・厚生労働省「産業用ロボットの導入に関するリーフレット」
・厚生労働省「機能安全を導入した産業用ロボットシステムの安全関連システムの設計」
・独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所「感電の基礎と過去30年間の死亡災害の統計」
・経済産業省「自家用電気工作物の標準的な点検項目について」
・国土交通省「電気通信施設劣化診断要領(案)参考資料(電力設備編)」
・総務省消防庁「危険物施設の震災等対策ガイドライン【製造所編】」
・経済産業省「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン概要資料」
・独立行政法人情報処理推進機構「制御システム利用者のための脆弱性対応ガイド第3版」
・資源エネルギー庁「工場等におけるエネルギーの使用の合理化等に関する事業者の判断の基準等」
・環境省「ファンの回転数制御機能の追加(概要シート)」


>>【関連記事】「減速機・モーターのメンテナンス」はこちら

>>【関連記事】「集塵機・ブロワのメンテナンス(特化則対応も含む)」はこちら

>>【関連記事】「機械の基板修理サービス」はこちら

 

工場構内の工事を依頼する際のお役立ちコラム

お問い合わせ・ご相談

営業時間内2時間以内にお返事いたします。 (営業時間9:00〜17:00 休:土・日・祝) 窓口:秋甫(あきほ)

TEL 078-579-1177 メールで問い合わせ
TEL 078-579-1166 各種ご相談・お見積り

ご相談・お問い合わせ