工場の無停電電源装置(UPS)修理とメンテナンス
本記事は、工場の現場責任者や現場作業員の皆さまに向けて、無停電電源装置(UPS)修理とメンテナンスの課題と解決策を、消防庁や経済産業省など公的機関の資料を根拠にわかりやすく解説する内容です。停電や瞬時電圧低下から生産ラインを守る保全の勘所を、専門用語をかみ砕きながらまとめました。
工場の生産ラインは、一瞬の電気の乱れで止まってしまうことがあります。その止まりを防ぐ守り手が、無停電電源装置(UPS)です。ここでいうUPSとは、停電や電圧の乱れが起きた瞬間に、内蔵した蓄電池から電気を送り、負荷となる機器へ途切れなく電力を届ける装置を指します。
そこで本記事では、この装置の修理とメンテナンスにまつわる課題を整理し、その解決の道すじを公的資料に沿って掘り下げていきます。
工場工事センター匠.comが日々の現場で向き合っている実務の視点も交えながら、順を追って説明します。
1.大規模停電・ブラックアウトに備える工場の電力レジリエンスとUPSの役割
工場の操業は、電力会社からの安定した電気供給を前提に成り立っています。しかし、台風や地震といった自然災害が激しさを増すなかで、その前提はいつでも崩れうるものへと変わってきました。実際に、
資源エネルギー庁が公表する電力システムのレジリエンス強化に向けた背景では、北海道で発生した広域の停電、いわゆるブラックアウトの教訓を踏まえ、安定供給を支える多様な電源の確保と、分散型電源の活用によるレジリエンス向上が必要だと整理されています。
ここでレジリエンスとは、災害などで受けた打撃から素早く立ち直る力、いわば「回復力」を意味する言葉です。工場にとってのレジリエンスとは、電気が途切れても生産と設備を守り抜き、速やかに操業へ戻る備えにほかなりません。
その備えの中核を担うのが、無停電電源装置(UPS)です。なぜなら、商用電源が突然失われても、UPSが蓄電池からの電力供給に瞬時に切り替わり、重要な負荷を落とさずに支えるからです。
とはいえ、装置を一度導入すれば安心という話ではありません。むしろ、内部の蓄電池は時間とともに確実に弱っていくため、無停電電源装置修理やメンテナンスを計画的に続けてはじめて、いざというときに働く状態が保たれます。したがって、レジリエンスという言葉を絵に描いた餅で終わらせないためには、日頃の保守が欠かせないのです。
こうした課題に対し、
工場工事センター匠.comは、全国の協力工事会社のネットワークを生かして現地へ素早く駆けつけ、装置の状態を見極めたうえで最適な解決策を提案します。つまり、停電への強さは、装置と保守体制の両輪ではじめて確かなものになると考えています。まずは自社設備がどこまで停電に耐えられるのかを見つめ直すことが、対策の第一歩となります。
2.落雷起因の瞬時電圧低下(瞬低)から精密な製造ラインを守るUPS
停電ほど分かりやすくはないものの、工場を悩ませる電気の乱れに「瞬時電圧低下」があります。これは瞬低とも呼ばれ、ごく短い時間だけ電圧がすとんと下がる現象を指します。原因の多くは落雷で、送電線に雷が落ちると事故箇所が瞬時に切り離される間、周囲の電圧が一時的に低下してしまうのです。
この一瞬の落ち込みが、精密な製造ラインには重い課題となって跳ね返ります。
資源エネルギー庁が示す電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドラインでは、高度な情報機器は定格電圧の10パーセント以上の瞬時電圧低下で機器停止などの影響を受ける場合があると明記されています。つまり、わずかな電圧の乱れでも、敏感な機器は容易に止まってしまうという事実が、公的に整理されているわけです。
とりわけ半導体や電子部品、フィルムなどを扱う工程では、加工の途中でラインが止まると、仕掛かり中の製品が丸ごと不良になりかねません。その結果、材料の損失に加え、装置の立ち上げ直しによる長い時間のロスまで生じます。
そこで解決策として力を発揮するのが、無停電電源装置(UPS)です。UPSは電圧の落ち込みを検知した瞬間に蓄電池から電力を補い、負荷機器へ一定の電圧を送り続けます。これにより、雷という避けようのない自然現象の影響を、現場側で受け止めて和らげることができます。
もっとも、瞬低対策として据えたUPSも、蓄電池が劣化していては本来の働きを果たせません。だからこそ、無停電電源装置修理とメンテナンスを通じて装置を健全に保つことが、瞬低という課題の根本的な解決につながります。
工場工事センター匠.comは、こうした見えにくい電気の乱れに対しても、設備の重要度に応じた守り方を一緒に考えます。
3.停電・瞬低時に制御機器(PLC・産業用サーバー)の停止と製品不良を防ぐバックアップ
現代の工場は、数多くの制御機器によって自動で動いています。その中心にあるのがPLCで、これはシーケンサとも呼ばれ、生産設備を自動で制御する産業用のコンピュータを指します。加えて、生産管理を担うサーバーや計測機器も、途切れない電力を前提に動き続けています。
これらの機器は、ほんの一瞬でも電力が乱れると、誤作動や再起動を起こしかねません。科学技術振興機構が運営するJ-STAGEに収録された電気学会の解説
電圧が瞬時に低下したときの影響と対策では、瞬時電圧低下の影響を防ぐ方法として、電圧が下がっても電源電圧を継続して維持する方式が示され、その手段として無停電電源装置の設置が抜本的な対策であり、停電対策としても有効だと述べられています。
つまり、制御機器を止めないという課題に対しては、UPSによるバックアップが理にかなった解決策なのです。電源が乱れた瞬間、UPSが蓄電池から電力を供給し、制御の連続性を保ちます。
ここで見落としがちなのは、機器が止まること自体よりも、止まった後に起こる二次的な損失です。たとえば、制御が飛べば加工データが失われ、装置の位置合わせをやり直す手間が発生します。さらに、途中まで仕上がっていた製品が不良品となり、歩留まりの低下という形で損害が広がります。
したがって、UPSは単なる非常用の電源ではなく、製品の品質と生産計画を守る盾でもあります。その盾を確かなものに保つには、無停電電源装置修理とメンテナンスによって蓄電池やバックアップ機能を定期的に確かめることが欠かせません。
工場工事センター匠.comは、どの負荷を優先して守るべきかを現場と一緒に整理し、無理のない解決の形を提案します。
4.消防法における非常電源(蓄電池設備)としてのUPSの位置づけと工場での設置区分
工場に据えるUPSは、生産を守る装置であると同時に、消防法の観点からも重要な位置を占めます。というのも、蓄電池を用いる設備は、消防法令の枠組みのなかで「蓄電池設備」として扱われる場合があるからです。
総務省消防庁が示す蓄電池設備の関係規定についてでは、火災予防条例の例に沿って、蓄電池設備の整備や清掃に努めること、点検や整備に支障のない距離を保つこと、変電設備である旨の標識を設けることなどが参考として整理されています。
ここでいう非常電源とは、ふだん使う商用電源が停電したときに、消防用設備などが正しく働くように設けておく電源のことです。工場の防災を支える設備が、いざというときに確実に動くためには、その裏づけとなる電源の健全さが問われます。
したがって、UPSの蓄電池が防災上の役割を兼ねる場合、その保守は生産面だけでなく防災面の課題にも直結します。言い換えれば、無停電電源装置修理とメンテナンスは、工場の安全そのものを守る営みでもあるのです。
また、蓄電池設備には設置の場所や管理に関する取り決めがあり、係員以外の者をみだりに立ち入らせないことなども求められています。こうした管理を日常のなかで徹底することが、火災という重い課題の予防につながります。
そこで
工場工事センター匠.comは、装置の据え付けから点検、そして必要に応じた更新までを一貫して支え、法令に沿った形での解決を後押しします。設備の役割を正しく把握することが、適切な保守計画づくりの出発点となります。まずは自社のUPSがどのような区分に当たるのかを整理しておくと、その後の対応がぐんと進めやすくなります。
5.「蓄電池設備の基準」(昭和四十八年消防庁告示第二号)に適合したUPS蓄電池の構造・性能
蓄電池設備には、その構造と性能について国が定めた基準があります。
総務省消防庁の蓄電池設備の基準は、消防法施行規則に定める蓄電池設備の構造および性能の基準を示したもので、昭和48年に告示第二号として定められました。この基準は、防災を担う電源が確かに働くための土台となる決まりです。
同基準では、たとえば外部から容易に人が触れるおそれのある充電部や高温部について、安全上支障のない措置を講じることが求められています。ここで充電部とは、電気が通っている金属部分を指し、触れれば感電のおそれがある箇所のことです。
つまり、UPSに組み込む蓄電池も、こうした安全上の考え方に沿って設計・設置されている必要があります。基準を満たさない状態を放置すれば、それ自体が火災や感電という課題の火種となりかねません。
とはいえ、据え付けた当初は基準に適合していても、時間の経過とともに部材が劣化し、安全上の性能が下がっていくことは避けられません。したがって、修理やメンテナンスの場面では、基準の考え方に照らして現状を点検し直す姿勢が欠かせないのです。
ここで大切なのは、基準を「導入時に一度満たせば終わり」と捉えないことです。むしろ、無停電電源装置修理とメンテナンスのたびに、構造や性能が本来あるべき状態を保っているかを確かめることが、確かな解決につながります。
工場工事センター匠.comには、電気工事施工管理技士などの有資格者が在籍し、基準に精通した視点で施工と保守を進めます。だからこそ、安心して任せられる体制を整えることができます。基準を軸に置いた保守こそが、長く安全に使い続けるための近道となります。
6.大容量化する工場UPSと蓄電池設備の規制(届出容量・延焼防止措置)の最新動向
工場で扱うUPSは、守るべき設備が増えるほど大容量へと向かいます。そして、蓄電池の容量が大きくなるほど、火災が起きたときの影響も大きくなるため、規制の考え方も見直されてきました。
総務省消防庁が公表する蓄電池設備の規制の見直しイメージでは、エネルギー容量が20キロワット時を超える蓄電池設備は大規模な蓄電池設備に区分され、大規模な事故や火災を想定した基準への適合が求められると整理されています。
ここでキロワット時とは、電気をどれだけ蓄えられるかを表す単位で、数値が大きいほど多くの電力を貯め込めることを意味します。したがって、大容量のUPSほど、より厳しい安全の物差しで見られると理解しておくとよいでしょう。
さらに同資料では、現在の規制が主に鉛蓄電池を前提に組み立てられてきた一方で、普及が進むリチウムイオン蓄電池などにも対応できる形へ見直しが進められている点が示されています。つまり、電池の種類によって火災の危険性が異なることを踏まえ、規制が実態に合わせて更新されているわけです。
この動向は、工場側にとって無視できない課題を投げかけます。なぜなら、増設や更新のたびに、届出の要否や延焼を防ぐ措置の考え方を確かめる必要があるからです。
そこで解決の鍵となるのが、最新の制度を踏まえた計画的な保守と更新です。無停電電源装置修理やメンテナンスの機会に、容量や電池の種類が規制の考え方に沿っているかを点検することが望まれます。
工場工事センター匠.comは、こうした制度の動きにも目を配りながら、現場に合った進め方を提案します。制度を味方につける姿勢が、余計な手戻りを防ぐことにつながります。
7.自家用電気工作物としてのUPS ― 電気事業法に基づく技術基準適合維持と保安規程
工場が高圧で電気を受けて自ら使う設備の一式は、電気事業法のうえで「自家用電気工作物」と呼ばれます。UPSも、その電気設備の一部として、この枠組みのなかに置かれます。
経済産業省が示す自家用電気工作物に係る手続のご案内では、設置者が自らの責任のもとで電気の保安を確保する義務を負うことが説明されています。
同資料によれば、設置者は自家用電気工作物を経済産業省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならず、これは電気事業法第39条に基づく義務です。ここで技術基準とは、感電や火災などの危害を防ぐために電気設備が満たすべき決まりを指します。
さらに、工事・維持・運用に関する保安を確保するため、設置者は「保安規程」を定めて国に届け出る必要があります。保安規程とは、電気の安全を守るために工場が自ら定める、点検や運用のルールブックのようなものです。
つまり、UPSの保守は、単なる装置の手入れにとどまらず、法令が求める保安の一部として位置づけられます。したがって、修理やメンテナンスを保安規程の考え方に沿って進めることが、課題の確かな解決につながるのです。
この観点を欠いたまま装置だけを見ていると、法令が求める維持義務との間にずれが生じかねません。だからこそ、設備全体を一つの保安の対象として捉える視点が求められます。
工場工事センター匠.comは、電気の保安という土台を踏まえたうえで、UPSの据え付けから保守までを支えます。そのため、生産と法令順守の両面から安心できる解決の形を描くことができます。設備を法の枠組みごと見渡す姿勢が、長い目で見た安全を支えます。
8.電気主任技術者による自主保安体制と工場UPSの日常巡視・定期点検・精密点検
自家用電気工作物の安全は、工場が自らの手で守る「自主保安」という考え方に支えられています。
経済産業省の産業保安監督部が公開する自家用電気工作物に関する関係法令・電気事故の資料では、保安規程の届出や電気主任技術者の選任を通じて、設置者自らが保安体制を築くことが求められる旨が整理されています。ここで電気主任技術者とは、電気設備の工事・維持・運用について保安の監督を行う国家資格者のことです。
この自主保安の要は、日々の点検を積み重ねることにあります。点検には、日常の巡視や定期点検、そしてより詳しく調べる精密点検などがあり、それぞれ役割が異なります。日常巡視は目視や計器の確認で異常の芽を早く見つける営みであり、定期点検はあらかじめ決めた周期でより丁寧に確かめる作業を指します。
そして精密点検とは、機器を停止させたうえで、内部まで踏み込んで劣化の度合いを調べる点検を意味します。UPSにおいては、蓄電池の状態や制御回路の健全さを、これらの点検の積み重ねで見極めていきます。
したがって、無停電電源装置修理とメンテナンスを、その場しのぎではなく、自主保安の一連の流れのなかに組み込むことが望まれます。そうすることで、故障が起きてから慌てる後追いの対応から、劣化を先取りする予防へと軸足を移せます。
もっとも、点検の記録をただ残すだけでは、宝の持ち腐れになりかねません。むしろ、記録から傾向を読み取り、次の手を打つことで、はじめて課題の解決に結びつきます。
工場工事センター匠.comは、有資格者の視点を交えながら、点検の結果を次の保守計画へつなげる支援を行います。加えて、商談の後にはその場で議事録を提出し、話した内容と次の一手を明確に共有します。こうした積み重ねが、確かな自主保安を根づかせます。
9.UPS用蓄電池(バッテリー)の経年劣化と計画的な交換による予防保全
UPSの心臓部は、電気を蓄える蓄電池、すなわちバッテリーです。ところが、このバッテリーは、使っても使わなくても時間とともに確実に劣化していきます。そのため、装置の外見が問題なさそうに見えても、内部の蓄電池がすでに寿命を迎えていることは珍しくありません。
ここで予防保全とは、故障が起きてから直すのではなく、劣化の兆しをつかんで先回りで手を打つ保守の考え方を指します。
経済産業省の自家用電気工作物に係る手続のご案内が示すように、設備を技術基準に適合するよう維持する義務を果たすうえでも、この予防の姿勢は理にかなっています。
なぜなら、バッテリーが劣化した状態のまま停電が起きれば、UPSは本来の時間だけ電力を供給できず、守るはずの生産ラインを守り切れないからです。つまり、劣化の放置は、いざというときに効かない保険を掛けているのと同じ課題を抱えることになります。
そこで解決策となるのが、蓄電池の状態を定期的に確かめ、寿命を見据えて計画的に交換していく取り組みです。交換の時期を場当たり的にではなく、点検の結果に基づいて見通しておくことが肝要です。
さらに、交換にあたっては、装置の仕様に合った蓄電池を選ぶことも欠かせません。仕様に合わない部品を用いれば、かえって新たな不具合を招くおそれがあるからです。
したがって、無停電電源装置修理とメンテナンスの中心には、この蓄電池の計画的な管理が据えられるべきです。
工場工事センター匠.comは、装置ごとの使い方や設置環境を踏まえ、無理のない交換計画づくりを一緒に進めます。先を見越した備えこそが、突然の停止という課題を静かに遠ざけます。
10.蓄電池設備の点検基準(平成16年消防庁告示第10号)と有資格者による点検・整備
蓄電池設備の点検には、国が定めた基準の裏づけがあります。
総務省消防庁が示す蓄電池設備の点検に関する参考資料では、平成16年5月31日の消防庁告示第10号に基づき、電気事業法に基づく電気主任技術者と防火管理者の立会いのもとで、消防設備点検資格者であり、かつ蓄電池設備整備資格者である者が点検を行うことが整理されています。
ここから分かるのは、蓄電池設備の点検が、誰でも自由に行えるものではなく、しかるべき資格と立会いのもとで進められるべきものだという点です。つまり、点検の質は、それを担う人の資格と体制に支えられているわけです。
したがって、UPSの蓄電池設備を点検する場面では、この基準の考え方に沿って、有資格者による確かな作業を組み立てることが求められます。自己流の簡易な確認だけで済ませてしまうと、見落としという課題を招きかねません。
また、点検で異常が見つかった場合には、放置せずに整備へつなげることが欠かせません。点検と整備は表裏一体であり、見つけた不具合を直してはじめて、点検の意味が生きるのです。
ここでも大切なのは、点検を単発の行事で終わらせず、記録として積み上げていく姿勢です。積み重ねた記録は、次の劣化を予測するための貴重な手がかりとなります。
工場工事センター匠.comには、電気に関わる有資格者が在籍し、基準に沿った点検と整備を一体で進める体制を備えています。そのため、装置の状態を確かに見極めたうえで、必要な無停電電源装置修理とメンテナンスへとつなげることができます。資格に裏打ちされた点検こそが、安心の土台をつくります。
11.リチウムイオン蓄電池搭載UPSの火災リスクと工場での安全管理
近年、UPSにもリチウムイオン蓄電池を用いる例が増えてきました。小型で大きな電力を蓄えられる利点がある一方で、その扱いには相応の注意が求められます。
製品評価技術基盤機構(NITE)が公表したリチウムイオン電池搭載製品の火災事故を防ぐ資料では、リチウムイオン電池には可燃性の電解液が含まれるため、大きな火災事故につながるおそれがあると説明されています。ここで電解液とは、電池の内部で電気を運ぶ役割を担う液体のことです。
同資料によれば、2020年から2024年までの5年間にNITEへ通知された製品事故のうち、リチウムイオン電池を搭載した製品の事故は多数にのぼり、その約85パーセントが火災事故に発展したと示されています。しかも、事故は気温の上昇とともに増える傾向があると整理されています。この数値は、公的機関が集計した事故情報に基づくものです。
つまり、リチウムイオン蓄電池を用いるUPSには、火災という重い課題が付きまとうと理解しておく必要があります。とりわけ工場は高温になりやすい環境も多く、熱を与えない管理が欠かせません。
そこで解決の方向として、まずは強い衝撃や過度な熱を避ける設置と運用が挙げられます。加えて、異常な発熱や膨らみといった兆候を早く見つける日常の観察も、火災を防ぐうえで大きな意味を持ちます。
さらに、こうした安全管理を確かなものにするには、無停電電源装置修理とメンテナンスの機会に、蓄電池の状態を専門の目で確かめることが重要です。異変を早くつかめば、被害が広がる前に手を打てるからです。
工場工事センター匠.comは、電池の種類ごとの危険性を踏まえ、設置環境に応じた安全管理の形を一緒に考えます。だからこそ、火災という課題に対しても、現場に根ざした解決策を提案できます。安全は、装置任せではなく、日々の管理との合わせ技で守られます。
12.非純正・粗悪な交換バッテリーのリスクと信頼できる保守の重要性
UPSの蓄電池を交換する際、価格の安さだけに目を奪われると、思わぬ落とし穴にはまることがあります。というのも、非純正で品質の確かでないバッテリーには、安全上の課題が潜んでいる場合があるからです。
製品評価技術基盤機構(NITE)がまとめた非純正リチウムイオンバッテリーの事故に関する資料では、確認した非純正バッテリーの試料において、電池のブロックごとの電圧監視が行われていなかったことや、製造時にセルの選別が行われていなかったとみられる状態が示されています。
ここでセルとは、電池を構成する最小の単位を指し、これらを組み合わせて一つの蓄電池がつくられます。品質のばらついたセルを寄せ集めれば、内部で電圧の偏りが生じ、異常につながりやすくなります。
したがって、交換用のバッテリー選びは、無停電電源装置修理とメンテナンスの成否を左右する重要な分岐点だと言えます。安さに引かれて安全を損なえば、結局は大きな損失という形で跳ね返りかねません。
そこで解決の道すじとして重要になるのが、装置の仕様に合った信頼できる部品を選び、確かな体制のもとで交換を行うことです。部品の素性がはっきりしているだけで、防げる課題は少なくありません。
もっとも、正しい部品を選ぶ判断は、現場だけでは難しい場合もあります。だからこそ、専門の知見を持つ保守の担い手と組むことに意味があるのです。
工場工事センター匠.comは、装置ごとに適した部品を見極めたうえで交換を進め、粗悪な部品に起因する課題を未然に防ぎます。加えて、施工の内容を議事録として明確に残し、後から確認できる形で共有します。信頼できる保守を選ぶことが、遠回りに見えて最も確かな解決となります。
13.UPS保守・更新工事における停電作業の安全確保(施錠・残留電荷の放電・短絡接地)
UPSの保守や更新の工事では、電気を扱う以上、作業者の安全確保が何よりも優先されます。とりわけ電路を止めて行う「停電作業」には、守るべき手順があります。
厚生労働省の労働安全衛生規則第339条では、電路を開路して点検や修理などの電気工事を行うときに講じるべき措置が定められています。ここで開路とは、電気の通り道を切り離して電流を止めることを指します。
同条によれば、まず開路に用いた開閉器に施錠するか、通電禁止の表示をするか、または監視人を置くことが求められます。これは、作業中に誤って電気が入れられる事態を防ぐための備えです。
次に、電力ケーブルや電力コンデンサーなど、残留電荷による危険が生じるおそれのある電路については、安全な方法で確実に放電させることが定められています。残留電荷とは、電源を切った後も機器の内部に残っている電気のことで、これに触れれば感電のおそれがあります。
さらに、開路した電路が高圧や特別高圧であった場合には、検電器具で停電を確認したうえで、短絡接地器具を用いて確実に短絡接地することが求められます。短絡接地とは、電路を意図的に大地へつないで、残った電気や誤って流れ込む電気を安全に逃がす措置のことです。
つまり、UPSの停電作業には、これらの手順を一つずつ確実に踏むことが不可欠です。手順を省けば、感電という取り返しのつかない課題を招きかねません。
工場工事センター匠.comは、こうした法令の手順を踏まえたうえで、安全を最優先に無停電電源装置修理とメンテナンスを進めます。だからこそ、作業者と設備の双方を守りながら、確実な解決へと導くことができます。安全な手順の徹底こそが、工事の品質を支える土台です。
14.感電防止措置と電気取扱業務の特別教育 ― 工場内UPS作業の労働安全衛生
電気を扱う作業には、資格や教育の裏づけが求められます。とりわけ危険を伴う業務については、あらかじめ安全のための教育を受けておくことが法令で定められています。
厚生労働省が示す安全衛生教育に関する参考資料では、労働安全衛生規則第三十六条に基づき、高圧や特別高圧の充電電路の敷設・点検・修理・操作などの業務が、特別の教育を必要とする危険有害な業務として整理されています。ここで特別教育とは、危険を伴う業務に就く前に受けておくべき、安全のための教育を指します。
同資料によれば、高圧とは直流で七百五十ボルトを、交流で六百ボルトを超え、七千ボルト以下の電圧を指し、特別高圧は七千ボルトを超える電圧を指すと定義されています。これらの区分は、感電の危険度を見極めるうえでの基準となります。
したがって、工場内でUPSを扱う作業に携わる者は、その業務に応じた教育を受けておく必要があります。教育を欠いたまま危険な作業に就くことは、感電という課題を自ら招く行為にほかなりません。
加えて、感電を防ぐための機器の備えも欠かせません。漏電による感電の危険を防ぐため、電路には確実に作動する感電防止用の漏電しゃ断装置を接続することが求められています。漏電とは、本来の通り道以外へ電気が漏れ出る現象を指し、火災や感電の原因ともなります。
つまり、安全は「人の教育」と「設備の備え」の両輪で守られるものです。片方だけでは、課題の解決には届きません。
工場工事センター匠.comは、こうした労働安全衛生の考え方を踏まえ、有資格者による作業体制のもとで無停電電源装置修理とメンテナンスを進めます。だからこそ、現場の安全を確かに守りながら、工事を前へ進めることができます。安全教育の徹底が、事故のない現場を支えます。
15.使用済みUPS蓄電池(鉛・リチウム)の適正処理と広域認定制度によるリサイクル
UPSの蓄電池は、交換すれば必ず使用済みの蓄電池が出ます。この使い終わった蓄電池をどう処理するかも、工場が向き合うべき課題の一つです。
環境省が公表する使用済鉛蓄電池の適正処理についてでは、使用済みの鉛蓄電池が廃棄物として取り扱われる場合を見据え、その適正な取扱方法を検討会でまとめ、技術指針として整理した旨が通知されています。
ここで鉛蓄電池とは、電解液に希硫酸を、電極に鉛を用いた蓄電池を指し、有害な物質を含む点に注意が必要です。したがって、その処理は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、いわゆる廃棄物処理法の考え方に沿って、生活環境の保全に配慮しながら進めることが求められます。
つまり、使用済み蓄電池をむやみに処分することはできず、法令に沿った適正な処理が欠かせません。処理を誤れば、環境への負荷という新たな課題を生んでしまいます。
そこで解決の手立てとなるのが、法令に沿った回収とリサイクルの仕組みです。排出した事業者が自らの責任で適正に処理する原則のもとで、確かな処理ルートを選ぶことが望まれます。
また、蓄電池はリサイクルによって資源として生かせる面も持っています。適正な処理は、環境を守るだけでなく、限りある資源を有効に使う取り組みでもあります。
工場工事センター匠.comは、蓄電池の交換にとどまらず、使用済み蓄電池の適正な処理まで見据えて支援します。だからこそ、導入から廃棄までを一つの流れとして捉え、無停電電源装置修理とメンテナンスに伴う課題を、後始末まで含めて解決へ導くことができます。最後まで見通した保守こそが、責任ある工場運営を支えます。
結論・まとめ
ここまで、工場の無停電電源装置(UPS)修理とメンテナンスをめぐる課題と、その解決の道すじを、公的機関の資料に沿って掘り下げてきました。振り返れば、UPSは停電や瞬時電圧低下から生産ラインを守る盾であり、同時に消防法や電気事業法の枠組みのなかで管理すべき設備でもあります。
そして、その盾を確かなものに保つ鍵は、内部の蓄電池を計画的に管理し、有資格者による点検と整備を積み重ねることにありました。つまり、装置を据えて終わりではなく、日頃の保守を続けてはじめて、いざというときに働く備えが整うのです。
加えて、火災の危険を踏まえた安全管理や、停電作業での感電防止、使用済み蓄電池の適正な処理まで、UPSの保守は幅広い課題と結びついています。だからこそ、これらを一つの流れとして捉え、抜けのない解決を組み立てる視点が求められます。
もっとも、こうした課題のすべてを現場だけで抱え込むのは、けっして容易ではありません。そこで頼りになるのが、法令と現場の双方を知る保守の担い手です。
工場工事センター匠.comは、旬感風速の名のとおり、旬を逃さず素早く現場へ駆けつけ、全国の協力工事会社のネットワークを生かして対応します。さらに、商談の後にはその場で議事録を提出し、決めたことと次の一手を明確に共有します。
私たちが目指すのは、離島や過疎地に限らず、日本全国のモノづくり企業様のお役に立つことです。生産を止めない、安全を損なわない、環境にも配慮する。その三つを両立させる無停電電源装置修理とメンテナンスを通じて、現場責任者や作業員の皆さまの課題解決を、これからも力強く後押ししてまいります。
まずは、自社のUPSがどのような状態にあるのかを見つめ直すことから始めてみてください。小さな一歩の積み重ねが、止まらない工場という大きな安心へとつながります。
工場工事センター匠.comは、その歩みにいつでも寄り添います。
(監修者:吉岡興業株式会社 代表取締役 吉岡 洋明)
【参考資料・関連記事】
・資源エネルギー庁「電力システムのレジリエンス強化に向けた背景」
・資源エネルギー庁「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン」
・科学技術振興機構 J-STAGE(電気学会)「電圧が瞬時に低下したときの影響と対策」
・総務省消防庁「蓄電池設備の関係規定について」
・総務省消防庁「蓄電池設備の基準(昭和四十八年消防庁告示第二号)」
・総務省消防庁「蓄電池設備の規制の見直しイメージ」
・総務省消防庁「蓄電池設備の点検に関する参考資料(平成十六年消防庁告示第十号関係)」
・経済産業省「自家用電気工作物に係る手続のご案内」
・経済産業省 関東東北産業保安監督部「自家用電気工作物に関する関係法令・電気事故等について」
・製品評価技術基盤機構(NITE)「リチウムイオン電池搭載製品の火災事故を防ぐ資料」
・製品評価技術基盤機構(NITE)「非純正リチウムイオンバッテリーの事故について」
・厚生労働省「労働安全衛生規則(第三百三十九条ほか)」
・厚生労働省「安全衛生教育・特別教育に関する参考資料」
・環境省「使用済鉛蓄電池の適正処理について」
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