私は創業者の孫だから社長になった人間だ。そして、たまたま先を見通して策を立てることが出来て、それを周りが協力して実行してくれているだけの経営者だ。
たまたま、と言うのは謙遜ではなく、たまたま社員に恵まれて、先を見通して立てた策を実行出来ているという現実のお話なだけだ。
創業者の遺伝子から受け継いだ“積み木（能力）”を、たまたま恵まれた仲間たちと、創業者から受け継いだ“場所（会社）”で、積み上げているに過ぎないのだ。
これは社長の私個人だけの話ではない。私たち全社員についてもそれが言える。
70年前、創業者が作った大手顧客との商権のおかげで、私たちは今も、現実に、恩恵を受けている。
新しいお客様やパートナー様を新規開拓するにあたって、私たちが大手顧客と70年の長きにわたって商売をさせていただいているという事実は、新規開拓できる要因のかなりの部分を占めている。
だから私に、さも自分ひとりでやってきたかのような言動があれば、周りは心の底からバカにしなければならないし、私たち社員に、私たちだけでやってきたかのような言動があれば、周りは心の底からバカにしてあげなければならない。