マネジメントメッセージ

マネジメント・メッセージ 2025年6月(4/5)

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お客様は同じだが異業種の商社の方から、私たちの体制を使ってビジネスをしたいというお話があったと、このマネジメントメッセージで書いたことがある。
その際、『舐めとんな』と思ったわたしは、『20年という歳月をかけて築き上げてきた体制なので、初年度に、契約料として先払いで2億5千万円お支払いください。さらに、私たちの会社の物流や内勤営業アシスタント、インサイドセールス、外勤営業アシスタント、国家資格(これが無ければそもそも私たちのビジネスは出来ない。無いのにやると、無免許医師と同じで法律違反になる)や、ソリューションサイトやリーフレット、私たちの会社の「信用」や「現預金(実はこれが一番重要。現預金が「信用」に直結することは、帝国データバンクの評点でも明らか)」を少しでも利用されたいのなら、契約料とは別に、年間手数料5,000万円を先払いしていただくか、もしくは利益の97%を私たちがもらいます。私たちには御社と協業するリスクがあり、この体制もビジネスも潤沢な財務も膨大な時間をかけて築き上げてきたものですし、実際お金がかかっている体制なので』と、お断りした。

最近、銀行と、彼らが紹介してくれた案件付きのお客様で、その案件を受注したら、売上の数パーセントをマージンとして支払う、という協業契約を交わした。
わたしは、前述の商社からのお話は断り、銀行からのお話には乗った。
感覚的には分かる方も多いと思うが、その理由を言語化しておこう。

① 銀行が紹介してくださるお客様なら、まず近々に倒産する心配がない。仮に、もし、銀行が、近々に倒産するようなお客様を私たちに紹介してきたのだとしたら、その銀行の信用は地に堕ちてしまう。そもそも、そのお客様は銀行のお客様なのだ。前述の商社には、そのような安心感はない。しかも、前述の商社がしでかしたトラブルは、私たちがそのまま被ることになる。雲泥の差だ。

②銀行から、銀行のお客様を紹介していただけるということは、その銀行に、私たちの会社の経営状態が信用されているということになる。銀行との協業は、私たちのブランド力に寄与するのである。前述の商社と協業しても、ブランド力への寄与は皆無だ。

③銀行とこのような協業契約を交わしていると、万が一、まさかのさか、私たちの会社が倒産の危機に陥った時、その銀行は私たちの会社を助けてくれるかも知れない。前述の商社には、そのようなことは一切期待できない。期待できないどころか、前述の商社が倒産し、やりかけの仕事を中途半端にして逃げる可能性すらある。

このように言語化してみると、銀行から私たちを見ても、私たちから協業相手である銀行を見ても、「信用」と「財務」の両方がキーワードだということが分かる。
「信用」を得るには長い歳月が必要だ。
また、「財務」がちゃんとしていないと、「信用」は得られない。
今回協業契約を交わした銀行は、「信用」と「財務」において、トップランクの地銀である。
そういう協業先でない限り、わたしは大物ぶって協業することはない。