マネジメントメッセージ

マネジメント・メッセージ 2025年10月(3/6)

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今はもちろんいないつまらない社員には、とにかく勘違いさんが多かった。
今もいる社員はそれを見て、「お客様が大手だから自分もおんなじように思ったり、上場会社の仕入先様にチヤホヤされるもんだから、勘違いしているんでしょうね」と言っていたが、その通りである。
勘違いは衰退の前兆である。上述の勘違いさんたちは皆会社を辞めて同業他社に再就職したが、活躍しているといった噂はまるで聞かない。

私はたまたま創業者の長男の長男に生まれただけだ。私に先見の明があろうと、行動力があろうと、創業者の孫でなければ、この会社の社長ではない。
この環境あってこその私なのだ。
私はかつてサラリーマンをしていたが、そこで働き続けていたとしても、その会社の社長にはもちろん、取締役にもなれなかったと確信する。
これは自虐ではない。これは単なる真実である。
私を含むうちの社員についても同じだ。環境あってこその私たちなのである。
創業者がつくった沢山の大手ユーザー様とかれこれ70年も商売をしているという「信用(新規のお客様はここを見ている)」、潤沢な資金があるという「信用(新規のパートナー様はここを見ている)」、全員営業体制を敷いている営業サービスの切れ目のなさに対する「信用(新規のお客様がリピーターになってくださるのはここにある)」、これらによってお客様やパートナー様が私たちに向いてくれている。
だから数年前、利益の一部をうちに納めるエージェント契約をしたいと言ってきた勘違い社員には、「どうせ無理でしょうけど、自分で一から大手お客様に口座を開いてもらって、自己資金でやったらどうですか。うちがあなたと協業することはないので、いっさい期待しないでください」と突っぱねてあげた。

さて、外勤営業アシスタントは、うちにしかない職種だ。
外勤営業が取ってきた仕事を手伝っている彼らは、どれだけ仲間に感謝されようが、天狗になってはならない。
天狗になると、雀がパッと飛び去るように、仲間からの信用や感謝は跡形もなく消え去ってしまう。
そして、彼に手伝ってもらおうと思う外勤営業がいなくなれば、彼の居場所はなくなってしまう。
真実を忘れてはならない。私たちは恵まれている。私も恵まれている。
それを自身の力だと思うと、先にあるのは衰退のみだ。
勘違いさんは、必ず虚勢を張る。周りが自分が思うほどリスペクトしてくれないから、はたから見ていて恥ずかしいくらい虚勢を張る。
すると周りは協力的でなくなる。
ひとりでは生きていけないから会社で働いているという真実を忘れてしまうと、やがて会社に居場所をなくしてしまう。
そんな目には会いたくもないから、私は勘違いだけはしないで仕事をしていく。