マネジメントメッセージ

マネジメント・メッセージ 2010年2月

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100試合をして、99勝1敗のひと(=Aさん)と88勝12分けのひと(=Bさん)、会社が出世させたいのはどちらでしょうか?

ここでの12分け、とはこういうことです。
Aさんは完全に敗北が決まってしまうまで会社に報告をしません。
Bさんは敗北の可能性があれば逐一会社に途中経過報告をします。
Bさんの12分けは12敗のことなのですが、この12の敗北はBさん個人の敗北ではなく会社としての敗北です。
途中経過報告を受けながら会社はBさんの力になれなかったのですから、Bさんの12敗は12分け、なのです。

100試合をして、AさんはBさんより11も多く勝っています。
しかしAさんは99勝1敗、1敗しているから勝率は99%です。
一方Bさん、彼は88勝12分け、88勝しかしていませんが1敗もしていません。勝率は100%です。
そこでふたたび質問です。
99勝1敗のひと(=Aさん)と88勝12分けのひと(=Bさん)、会社が出世させたいのはどちらでしょうか?

会社が出世させたいのは、1敗もしていない勝率100%のBさんです。

何故でしょうか?

当たり前のことですが、出世とは役職があがるということです。
役職があがるということは、部下の人数が増えるということです。
出世するということは、より多くの部下の面倒を見て下さいね、ということです。
部下の敗北が決まってしまうまで会社に報告をしないAさんに、多くの部下を任せてしまうそのリスク!
敗北の責任をおえるのはAさんではありません、部下でもありません、つまり個人ではありません。
いつの世も敗北の責任をおうのは会社トップです。
Aさんから部下の敗北を聞き、はじめて問題が発生していたことを知る会社トップ。
そうなると、会社トップはその敗北の交通整理に忙殺されてしまいます。
ちいさな問題が発生した時点で、Aさんが部下の敗北の可能性を会社に伝えていれば、公共化していれば、Aさんの部下の敗北は未然に防げたかも知れません。
これで、会社が出世させたいのは敗北の可能性があれば逐一会社に途中経過報告をするBさんである、という理由が分かって頂けたかと思います。

さいごに、Aさんが赤提灯で部下にクダをまいています。

「なんでBが俺を飛び越えて出世するんだよ、うちの会社はなんも分かっちゃいねえよな、だってBなんて俺の足元にも及ばねえ実績しかねえのによ、やってらんねえぜ、オイ!熱燗もういっぽん!」