マネジメントメッセージ

マネジメント・メッセージ 2025年10月(6/6)

マネジメント・メッセージ 一覧へ

私たちのような小企業においては、離職率は高くなければならない。
これは、能力のない人間は切れ、という意味ではない。
情が湧いてしまうまえに、将来火種となるような存在とは、関係を解消しておくべきだという意味だ。

小さな会社には、たとえ小さな火種であっても、その火種ひとつで信用が全焼してしまう可能性がある。
社員数2000人の大会社にとって1人は、組織全体に対する影響力が大してないが、小企業にとっての1人は、組織全体に対しての影響力がかなりある。
大企業にとっては大したことのない火種でも、小さな会社にとっては捨て置けない火種である可能性があるのだ。

「ひとと話をするのが大好きだ」「営業がやりたい。営業しか私にはできない」「何事に対しても強い好奇心がある」「さいごの転職と決めてます。お世話になります」と、面接で何度も言ってくるひとに限って、入社してわずか二三日で、あれ?と思わされることも多い。

こちら側に見る目のないことが一番の原因なのだが、相手も必死だ。
実力の1.7倍くらいのテンションで面接に現れるものだから、してやられてしまう。

「ひとと話をするのがあまり好きじゃない」「ほんとうは営業なんてやりたくない。でも営業職くらいの給料は欲しい」「好きなことには集中できるが、そうでないことには積極的になれない」「しばらく働いてみて向いていないようなら、また転職しようかな」、それが本音であれば、そんな方には情が湧かないうちに辞めてもらう。

小さな会社だと、そんなひとが一人いるだけで、会社全体の空気が悪くなるし、周囲の人間の心もからだもかなり疲れる。
そんなつもりで入社してこられた方にとっても、それは時間の無駄に違いあるまい。

だから、私たちのような小企業においては、離職率は高くなければならないのである。