マネジメントメッセージ

マネジメント・メッセージ 2023年12月(2/6)

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ナガレモノで大きな売上が上がっていただけで昇格させていると、組織が死ぬ。
わたしが入社した頃、そんな死体がよく社内に転がっていた。

景気がわるくなるとナガレモノの売上は激減する。しかし当時、それを担当する彼らには、他で売上を上げてくるという発想がまったくなかった。要は、腕がなかった。
だから景気がわるくなると彼らは、お湯につけられ羽をむしり取られた貧相なニワトリのようになっていた。
彼らに出来ることといえば、空威張りぐらいのものだった。
部下をもつ役職者であるにも関わらず彼らは、部下のお客様でトラブルがあっても、そのお客様をじぶんは担当したことがないという理由で、上司としてそこに出向き前線に立つことがなかった。そのわりには部下のことを、使える使えないとか言って、批判だけはしっかりとしていた。
あんたの部下だろ!と思わず突っ込みたくなるほど、彼らは天に向かって唾を吐いていたのである。

あの頃、ほんとに組織は死んでいた。
社内に転がる死体を丁寧に片付けながら、わたしは心に、信念と執念をもって誓ったものだ。

「景気がいいときの売上だけで昇格させたらダメだ。民度の低い連中にそんなことをしたら、部下のために機能してくれないどころか、変なゴールテープを切って、ますますなにもしなくなるだけだ。たとえ本人の実力じゃなくても、売上が良ければ年二回のボーナスで大盤振る舞いしてやればいい。その代わり、月々の給与が上がる昇格は、部下のためにじぶんの時間や体や心を使うひとに対してだけにしなければ、組織が死んでしまって、うちの会社はまた、死体だらけになってしまうぞ」