マネジメントメッセージ

マネジメント・メッセージ 2021年6月(5/10)

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マイペースなひとは、とにかくマイペースなじぶんが大好きだ。
彼らの決め台詞は、『いっぺんにいろんなことができない。ひとつのことしかできない』だ。
いっぺんにいろんなことができない??
仕事なら、そんなこと当たり前だ。仕事なら、誰でもそうだ。
彼らは勘違いをしている。私たちは仕事をしているのだ。
仕事とは必ず人様から承ってさせていただくものだ。仕事はじぶん一人で完結するようなものではないのだ。
ラジオを聞きながらする勉強や、テレビを見ながらする食事と仕事をいっしょにしている時点で、彼らは終わっている。「ながら」でもできるようなこととは、勉強や食事といったせいぜいじぶん一人で完結する類のことくらいだからだ。

マイペースなひとは、じぶんのことを仕事が出来ないと思っている。
それはかなりの勘違いだ。
マイペースなひとは仕事が出来ないのではない。彼は計画が出来ていないだけだ。
マイペースの度がすぎると、ひとはやるべきことをするのを忘れ、やるべきこと自体も忘れてしまう。
仕事には必ず期限がある。やるべきことの期限は刻一刻と迫ってくる。
期限ギリギリの段でそれに気づき慌てて取り掛かったとしても、しっちゃかめっちゃかになってやるから雑で、見直しする余裕もないから歯抜けだらけだったりする。
しかしそうなるのは、彼が仕事が出来ないからではなくて、計画が出来ていないからだ。

マイペースなひとは、ほかにも勘違いをしている。
彼らはじぶんなりに頑張っていたら、それがまわりに伝わっていると思い込んでいる。
彼らはいちど任されると途中経過報告というものをしない。事が片付いても最終結果報告というものをしない。
仕事は必ず誰かから承っている。任されていたらなおさらだ。
任せた側に途中経過報告も最終結果報告もしないでいると、任せた側は任せた事の進捗がわからない。そうなると、任せた側は彼に任せてしまったことを後悔しかしない。
任されたならば、マイペースにしていて良いわけがないのだ。

最後に、マイペースにしているひとがはまる落とし穴についていくつか書いておこう。
①間違った方向に事を進めてしまっていたとしても、それを誰も知らないから注意できず、彼は軌道修正できない。
②なにも手をつけていなくても、それを誰も知らないから注意できず、彼はいずれやらなければならないこと自体を失念する。
③陰でいくら一生懸命していても、それを誰も知らないから褒められることもなく、彼の評価は上がることがない。