マネジメントメッセージ

マネジメント・メッセージ 2019年5月(3/3)

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特に春、新しく社会人になる方が多いが、社会人と聞いてイメージするのは、「約束をまもる」、「厳しい」、「時間厳守」、「責任」といったところだろうか。
しかしながら、それらのイメージは社会人という言葉が持つ本質から少々ずれている。
社会人の本質とは、「未来にわたって世のため人のために役立つ」ことだからだ。

このことは類比してみると分かる。
類比とは、物事をなにかにたとえることで、物事の本質をつかまえようとする哲学的試みのことだ。
たとえば、神をなにかでたとえてみよう、類比してみよう。
「神は父のような存在である」、「神はライオンに似ている」。
このように神をなにかにたとえてみることで、つまり類比することで、「神は威厳のある存在であり時には理不尽なほど凶暴な存在でもある」、という神という存在の本質をつかまえることができる。
これが類比だ。

それでは社会人を、社会的な人、もしくは社会性を持つ人、と置き換えて類比してみよう。
「あの法律には社会的な価値がある」、「この公園には社会性がある」。
ここで言うところの社会的や社会性という言葉に、社会人と聞いてイメージする「約束をまもる」、「厳しい」、「時間厳守」、「責任」といった意味合いは薄い。
ここで言うところの社会的や社会性という言葉には、「未来にわたって世のため人のために役立つ」といった意味が読み取れる。
つまり類比を通して社会人の本質とは、「未来にわたって世のため人のために役立つ」ことであることが分かる。
裏を返せば、「未来にわたって世のため人のために役立つ」ことがどうしても出来ないひとは、社会人ではないということだ。
逆に、「未来にわたって世のため人のために役立つ」ことが出来ていれば、たとえ小学生であっても、社会人なのである。

繰り返す。
特に春、新しく社会人になる方が多いが、社会人と聞いてイメージするのは、「約束をまもる」、「厳しい」、「時間厳守」、「責任」といったところだろう。
しかしながら、それらのイメージは社会人という言葉が持つ本質から少々ずれている。
社会人とは、『「未来にわたって世のため人のために役立つ」人』のことだからだ。