私ほど、自分が社員に支えられていると実感している社長は、そうそういないと思う。
なぜそう思えているのか。事実、今、会社が存在できているのは、今、いてくれている社員のおかげだからである。

会社として大きな分かれ道を五度経験した。後から見ると、選んだ道は、全て正しいものであった。
しかし、道を選び、最初の一歩を踏んだ時、社員全員が納得していた訳ではなかった。その証拠に、最初の一歩を踏んだ時いた営業マンは、今、もう誰もいない。

ひとは保守的だ。このままだと座して死を待つのみといった状態でも、現状を変えようとはしない。
だが、私たちの会社は、変化せざるを得なかった。従来やっていた仕事から、逃げざるを得なかった。
逃げなければ、会社は慢性的な業績不振に陥っていただろう。

私は三代目だ。三代目が会社を潰すと言われている。
業績不振に陥って、最期、社員全員が去っていったとしても、私はひとりでお客様にお役立ちし続けていこうと決めている。そうすれば、会社が潰れることはないからだ。

しかしながら、そんな悲壮感なく会社を続けていられるのは、今、いてくれている社員のおかげである。
だから、私は、自分が社員に支えられていると実感できているのである。