マネジメントメッセージ

マネジメント・メッセージ 2021年5月(3/9)

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ナガレモノの処理ぐらいしか仕事が出来ないくせに、「俺が会社を食わせてやっている」と、聞いているほうが恥ずかしくなるようなことを言う社員がいた。 十年以上前の話だ。

私は内心、「ひとりで生きていけないから会社で働いているくせに、なに言ってんの」と思っていたが、態度にも出ていたのだと思う。そういう社員は全員辞めていった。

大手のお客様に、大手メーカーのナガレモノをつくる。ナガレモノはオーダーメイド、つまり特殊品だ。価格はお客様の予算や他社メーカーとの競争のなかで決まっていく、つまり商談のなかで決まっていく。そして、そのナガレモノは、メーカーの営業や技術が会社組織として熱心であれば、メーカーの営業マンや技術担当者や当社の営業マンが変わろうと、時代とともにその中身も進化し変化していく。
創業者は、素晴らしいビジネスモデルを築きあげたものだ。

ナガレモノの処理ぐらいしか仕事が出来ないといっても、彼がたとえば嘘ばかりついて他者とまともなコミュニケーションがとれない人であったり、なんでも後回しにしてしまう幼稚な性格であったりすれば、ナガレモノの処理は出来ない。
要は、そういうひとを採用しなければ良いのだが、前述したようなことを言い出す恥ずかしい社員が現れないように、社員教育を継続していくことも大切だ。

ここ十年、そういう恥ずかしい社員はおられないが、今おられないからこそ、こうやって文章に書き残し、そんな社員が二度と現れないように価値観を発信し伝えていく責務が私にはある。