マネジメントメッセージ

マネジメント・メッセージ 2020年4月(1/5)

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途中経過報告には様々な効用がある。これを使わない手はない。

途中経過報告はなんどもする。こまめに素早く繰り返し行う。 途中経過報告の回数だけ、私たちは相手に評価されるからだ。
なぜ途中経過報告の回数のぶんだけ、評価されるのか。理由は簡単だ。
「ここまでやることが出来ました!」
「 前回報告してからなにも出来ていないので、すぐに取り掛かって明日朝一報告します!」
「あとすこしまで来ました! 明日朝一報告出来そうです」
といった具合に、相手から指示を受けたら、相手に最低でも三回くらいは途中経過報告が出来る。
超能力者はいない。たとえ仕事を完璧に遂行中でも相手にそれは伝わっていない。途中経過報告をなんどもしていると、その回数のぶんだけ相手は私たちに、小さな安心感を寄せてくれる。途中経過報告をなんどもしていると、その進捗を通して相手は私たちに、小さな期待感を寄せてくれる。
これが、途中経過報告の回数だけ相手に評価されるメカニズムだ。そして、途中経過報告を繰り返していけば、やがて小さな安心感や期待感は、信頼感へと成長していく。

また、部下からこまめに途中経過報告を受けている上司は、部下との関係がうまくいっているケースが多い。途中経過報告を強要する権利は、役職に備わる重要な権利のひとつだ。上司は部下の同僚ではない。
部下とうまくいっているような上司は、大物ぶらずに、部下に途中経過報告をなんども繰り返させている。部下が途中経過報告をしてくるたびに、 上司は、
「よくやってくれてるね。つぎの報告を楽しみにしてるね」
「そうか、そうか、ご苦労様。前回よりかなり進んだね」
「報告ありがとう。最終結果報告も忘れないでね」
といった具合に、無理をしなくても、部下に事実に対する感想のみを言えば、自然とその部下をねぎらいほめているような感じになれる。
そうすれば上司は部下を、無理をしてほめずにすむ。ほめれば育つという幻想に惑わされて、一見ほめるところのない部下たちに、おべんちゃらを言う必要もなくなるのだ。

以上のように、途中経過報告には様々な効用がある。これを使わない手はない。