マネジメントメッセージ

マネジメント・メッセージ 2013年5月

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毎月30万円の付加価値を上げているセールスマンの信条が、『お客様に尽くしてゆく』だったとする。
そのセールスマンの税込給与は28万。もちろん、そのセールスマンの販売管理費も毎月18万ぐらいはかかっている。
また、従業員の半分がセールスマンで半分が事務員であれば、そのセールスマンは単純計算で(28万+18万)×2人=92万の付加価値を上げて赤字でも黒字でもない状態、つまり<おばあちゃんのタンス預金>と同レベルになる。
当然のことながら、そのセールスマンがあと、92万-30万=62万以上を上げれるようになれることを上司や周りは期待もし指導もする。
しかしながら、月30万の付加価値を上げているそのセールスマンの信条が、『お客様に尽くしてゆく』。
そのセールスマンは、「今の3倍以上の付加価値を上げるとなると、今のようにはお客様に尽くせなくなります・・・・」と言う。
上司や周りは「赤字なのに正気か?」だとか「セールスマンなのにキオスクの販売員みたいなこと言うなよ」と呆れつつ、そのセールスマンの話に耳を傾ける。
そのセールスマンは悲しそうな目をして、「今、お客様に尽くして、相当がんばって30万の付加価値を上げているのに・・・・それを認めてくれないのですか?」と思いのたけをぶつけてくる。
上司や周りはあっけにとられながらも、そのセールスマンに、営業会社でセールスマンとして働く価値観を伝え切れていなかったことを深く反省し後悔する。
そして、そのセールスマンを遠いこころで見つめながら、次のような自問自答を繰り返す。

「もっと価値観を伝えてあげていれば、そのセールスマンはこんなおかしなことを言わなかったかもしれない。もっと価値観を伝えてあげていれば、そのセールスマンは早いうちに営業以外の仕事に転職出来ていたかも知れない。」