マネジメントメッセージ

マネジメント・メッセージ 2010年9月

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お客様の組織図とお客様の仕事内容を把握するということは、セールスにしか出来ないきわめて重要なミッションだ。

何故、お客様の組織図を把握するということが重要なのか?

お客様の組織図とは文字通り組織を指すのであって普段窓口をされているお客様個人を指すのではない。
お客様に日本を代表する大手企業を多く持つ私たちにとって、このことはきわめて重要な意味を持つ。

お客様から当社セールスに対して大きなクレームが出たとき、または、不測の事態によるクレームが出たとき、いわゆるトラブルのその初期段階において、お客様の組織に対して、私たちは私たちの組織で事に当たらなければならない。
当然、お客様の組織を知らなければ、お客様の組織に対して、私たちは私たちの組織で事に当たることは出来ない。
トラブルの初期段階において、お客様の組織に対して、私たちが組織で事に当たれていたのかどうか?
これによって、今後そのトラブルが収束に向かってゆくのか、今後そのお客様との縁が切れてゆくのか、そのどちらかが決まってしまうのである。
私たちの過去のトラブルを振り返れば、このことは自明である。

「心配しないで下さい!窓口をしてくれている方と普段からきちんとやっているから、お客様の組織図まで把握しなくても大丈夫ですよ!」と言う優秀なセールスもいるかも知れない。
だが、不測の事態によるクレームが出たとき、普段窓口をされているお客様個人に対して、セールス個人が土下座をするだけでそのトラブルが収束に向かっていった試しはない。
セールス個人が土下座をするよりも、お客様の組織に対して、セールスとその上司が即日ふつうに頭を下げにゆく方が、トラブルは収束に向かってゆく。
このこともまた、私たちの過去のトラブルを振り返れば自明である。

お客様の組織図を把握することの重要性について、別の視点からも考察しておこう。

お客様によって呼称には違いがあるが、お客様の組織には大体において、部があり、そのしたに課があり、係がある。
私たちがお客様のすべての部、課、係に入り込めているケースは少ない。
商社である私たちの使命のひとつに、【顧客を増やし続ける】というのがある。
しかし、お客様の組織を知らなければ、部から部へ、課から課へ、係から係へ、いつまでたっても横展開出来ず、あるひとつの部、あるひとつの課、あるひとつの係に入り込むばかりで、顧客を増やすことなど到底叶うはずがない。
【顧客を増やし続ける】ことは、既存のお客様に対してでさえ、お客様の組織図を把握していなければ出来ないのである。

また、長年担当していたセールスを変えてしまうと、売上が減るという現象についても触れておきたい。
この現象は、新しい担当セールスが、前任のセールスよりも能力が高い場合にでも起きることがある。
新しい担当セールスが、まだ人間関係を築けていないから・・・・、それは真因ではない。
真因は、新しい担当セールスが、まだそのお客様の組織図を把握していないから、というのが本当なのである。

お客様の組織図を把握していない新しい担当セールスに、お客様がいちいち自社の組織の流れを説明するのを面倒がるのは当然のことだ。
「いま頼んだ概算の見積、僕だけじゃなくて課長にも提出しといてね」、「このまえデモ機の実演たのんだ件だけど、職場長にも許可とっといてね」等々、そんなことをひとつひとつ説明しているヒマなどお忙しいお客様にあるはずがない。
お客様の組織図を把握していない当社の新しい担当セールスにではなく、自社の組織の流れを分かってくれている既存の他社のセールスに声がかかってゆくのは当然のことなのである。

だから、普段からお客様の組織図を把握することから仕事を始めるセールスは、どんなお客様に行こうが必ず早いうちに信頼され成功する。
お客様の組織図を把握するということこそが、世間一般で大切だと言われている<人脈を掴む>ということなである。

以上が、お客様の組織図を把握するということがきわめて重要である理由だ。
お客様の組織図をまだ把握出来ていないセールスの方々には、ただちに行動を起こして、<人脈を掴む>ことをお願い申し上げる。
これこそが、私たち営業会社の主役、セールスにしか出来ないミッションなのだから。